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2009年05月02日

シフォンケーキとコードギアス。

 
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もう5月になったというのに、いまごろバレンタインデーのおかえしを作っている。
 
京都で3回目の初夏を迎えるも、料理以上にまったくしなくなったのがケーキを焼くこと。電子レンジを買うときにいちおうはオーブンのついたのを選んだけど、いっぺんも使わないまま時ばかりがすぎたのだった。

なんだかんだとたべものに対する執着が並じゃない子供だったので、いろいろこしらえるのはすきだった。家にあった「セイシュンの食卓」と「美味しんぼ」にのってた料理を作ったりとか。年頃になって経済観念が固まったころからは「安く!おいしく!」を突き進み、結果お菓子っていえばシフォンケーキばかりになった。

なぜならパウンドケーキはバターがいるし、デコレーションやつめたいお菓子なんかに使う生クリームはお高い。200ccで300円って。うちではほぼホイップを使っていたぞ。あれなら148円で近所のお店でも買えたから。小学生のころなんか「ホイップ」って商品名の生クリームだと信じて疑わなかったし。

シフォンケーキ。あれはいい。玉子と粉とおさとうと。水と油さえあればいい。あとは玉子をひたすら泡立てるのと、混ぜるときのコツさえつかめば、誰だってふわふわのができあがるんだから。買えばそれなりにするけどあれってぜったい手間賃だよね、と我が家の母は言う。原価じたいはとてもお安い。

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高校のころ読んだ栗原はるみさんの本にのってたレシピを延々と作り続けてきたが、分量はすべて軽量カップで量るから、わざわざ秤をだしてこなくていいのもよかった。ばかでっかい型で、玉子を10個まるまる使うものだった。薄力粉2カップ、砂糖1カップ強、水と油が半カップずつだったはず。

シフォンて流行りはじめのころは卵白を多く使うレシピが主流だったもんだが、現在クックパッド(料理のレシピサイト)みたらけっこう全卵派が頭角を現しているようだ。おかしの世界も時代の流れがあるらしい。

あたらしく買いなおした型は17センチのものだったから玉子なんて、たったみっつで事足りる。ほかの材料だったほぼ3分の1以下である。おどろいた。あまりの泡立ちの早さと、まぜやすさに。焼き上げから冷却、型からはずすまでの時間の短さに。そして電気オーブンの静けさと火力の弱さに。
 
実家はガスオーブンだっため、電気でシフォンを焼いたことがなかったのだ。いやー、ほんと火力弱いんだね、電気って。ガスのあの、着火がなされるときのチキチキチキ、ボッ!って音がないのも寂しい感じがした。だからなんか不安で、じーっとながめてしまった。表面が乾いてひび割れるのも、もりもり盛り上がってくるのも、焼き色が濃くなっていくのも、全部みた。ほぼ30分、オーブン前に釘付けだった。

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子供が育ってくのをみるのってこんなかんじなのかな、と思った。

お友だちの赤ちゃんが生まれて3ヶ月。遠すぎてさっぱり会いにいけないけど、電話越しに聞こえる泣き声に顔がゆるむ。どんどんおっきくなっていくんだろうな。おんなじ1年365日を過ごしてるはずなのに、自分に変化があんまり見当たらないもんだから、いっつもほかの人たちの変わりようで年月を計ってしまう癖がついてしもた。結婚離婚入学卒業、そして妊娠出産ね。
 
わたしはえらい老成した高校生だったので、いまと中身取り替えてもなんら差し支えない気がする。むしろあの頃のほうが落ち着いていて、どっしり構えていられたような。しかもやってることや好んで繰りかえすことがほぼ変わっていない。本よんで、まんがみて映画みて。すきなものはポテトチップスと、とうもろこし。

でもあのころはアニメにはまる人生なんて想像もしていなかったけどな、ふはははは。


最近ギアスのDVDみてるんだけど、いやー、やっぱおもろいわー。笑う笑う。隣の部屋に声が聞こえようがお構いなし。1期7巻からざっと見てるのね。19話「神の島」おもしろいわ、20話「キュウシュウ戦役」はロイドさん率が高いわではしゃぎまくる。ああ、もう1年経つんだ。知ってから。

なんかもう、コードギアスを見る前の自分が遠い。いまとおんなじようにあれこれ楽しんでいたはずなのに、この作品に対して占めてる気持ちや記憶や感情の容量がいろいろでかすぎるんだろう。どうしてこんなに心を膨らますことができたのかを知りたいくらいだ。ほかの物語と、なにがどれだけちがうのか。

しかもそのふくらみっぷりが、まったくへたらないときた。

シフォンケーキってなにより大事なのがメレンゲの泡立てと、生地への混ぜ込み方なんだけど。メレンゲって、泡立てすぎるとぼそぼそするし、足りないとふくらまないし、放置時間が長いと泡がへたってしまう。この見極めだけはなれない人だと難しいだろう。実際、わたしもひさしぶりすぎてふつーうに忘れてたくらい。

というわけで復帰第一弾のシフォンは、あっというまにできた。ちょっと焼き縮みしちゃったよ。上と下とで食感が違う。お菓子づくりってポイントさえはずさなきゃほぼ失敗しないはずなのに、その重要な部分をがっぽりおろそかにしたからだ。小麦粉の賞味期限が昨年末だったのは関係あるのかないのか。
 
今日もリベンジで焼くつもりが、黄身をつぶしてしまっておじゃんになった。悔しいのでチョコケーキを焼く。ホットケーキミックス使うやつ。すんごいかんたん、とってもスピーディー。

しかし、甘すぎた。甘いものはすきだけど、載ってるレシピで作るとどれも甘みが強いなって感じる。食べてると飽きてくるんだもの。そういえば栗原さんのレシピもいつも砂糖減らしてたんだっけ。いつもきび砂糖4分の3カップくらいで焼いてたんだった。

モーリシャス・バニラっていう、マカダミアナッツの砕いたのがまぜてある甘い香りのフレーバーティーをお茶屋さんで買ってきて、ケーキを焼くためだけに使っていた。だれかのために焼くのがいちばん愉しかった。
 
人はどんどん忘れてゆく。だからこそ記憶の海を泳ぎながら、今日も明日もよきものを探し求める。
去年みつけたぴかぴかのそのひとかけらを、わたしはまだまだ存分に味わい尽くしてしまいたい。
 
気持ちの泡がへたって、跡形も消えてなくなるまで。
 


posted by 雨屋杜美 | うぐ雨食堂 | 更新情報をチェックする
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